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番外編 お盆の夜


誠たち家族は、お盆の休みを利用して伊豆へ旅行に来ていた。

お盆休みだけあってどこへ行ってもすごく込んでいる。

誠も妹のレイも遊びまくり、ヘトヘトになるほど旅行を満喫した。



帰りは更に大変だった。

道路は大渋滞。

車は止まったきりちっとも動かない。



誠とレイは文句タラタラ。

父親の豊だって運転にうんざり。

「仕方ないさ。日本中が休み、みんな遊びに行くんだから。」

そんなこと言われたって納得できるはずがない。

二人は狭苦しい座席で寝てしまった。



いくら疲れてるとは言え、狭い車の中ではそんなに寝ていられなかった。

「今何時?」

誠は尋ねる。

「十一時。あと一時間で明日がやってくるぞ。」

「・・・・・。」


予定の時間も大幅に過ぎ、三人ともクタクタだった。



「そう言えばこの先に甲子園常連の高校があるんだ。」

その前を通ると真っ暗な校舎の一角で、室内練習場と思われるところに電気がついていた。

「工事でもしてるだろう。学校は休み中に工事をするもんだ。」

「ふ〜ん。」



豊は、運転にも疲れていたので外の空気を吸いたくなり、

「ちょっと室内練習場がどんなところか見てみるか。」

「こわいよ〜。」

夜の学校は何となく気味が悪い。



ふと道路から中を覗いてみると信じられない光景が飛び込んできた。

上半身裸の短パン姿で丸坊主の選手たちが素振りをしていた。

それを見た三人は声を詰まらせた。


「今何時?」

「あと一時間で明日がやってくる。」



夏の大会が終わり三年生が抜けてひと区切り。

お盆でみんな休んでいるこの時、この時間。

野球の練習している人間がいるなんて。



しかも一人じゃない。

何人もいる。


誠も豊も信じられない光景だった。



つい先日までテレビで熱い戦いを繰り広げていた高校球児たちを見ていたばかり。

もう2年生の戦いは始まっていたのだ。


バットを握り締め、誰もが真剣な目をしていた。

「勝つためにはここまでやるんだぁ。たった一年間で終わりだもんなぁ。」

短パンには
『目指せ甲子園!』
とマジックで書かれていた。



彼らには、ゆっくり休んでいる暇はない。

目指せ甲子園と簡単に言うけど、現実はこういうことなんだと知らされた。



疲れきっていたはずの三人だったが、それもどこかへ吹っ飛んでいた。

休みに遊んで疲れたなどと言っていたのが、恥ずかしい気さえした。


そこからの帰り道、誰も疲れたと口にはしなかった。




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