野球小説 えんのしたの声 頑張れ野球小僧たち!

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番外編 教え子 (後編)


試合再開。

教え子たちは必死に戦っている。

しかし相手もシード校として、また優勝することを課せられたチームとして絶対に負ける訳にはいかない。

どちらも必死だった。



次の瞬間。

フラフラっとセカンド後方へ打球が上がった。



上空は風も強く取りづらい。

ライト、センターも前に出た。


ポトン!

無情にも3人の真ん中へ打球が落ちた。



試合終了。

教え子たちの夏は終わった。


佐久間コーチの目には涙が浮かんでいた。

それを見た誠も涙を抑える事が出来ない。



よく頑張った。

厳しい練習を重ね、夜遅くまで必死に努力した。



しかし、相手の方がもっと頑張っていたのだ。

シード校としてまわりから結果を求められ、背負うものも大きい選手たち。

どのチームより厳しい練習を重ね、更に夜遅くまで必死に努力を重ねた成果だった。



試合後、コーチの元に来た教え子たちは悔しがる。

「あと一歩だったのに。くやしいです。」



「良く頑張った。その悔しさはこの先の長い人生でいくらでも晴らす事が出来る。泣く事はない。」

そう言うコーチの頬にも涙が流れていた。



高校野球と言うものを目の当たりにし、貴重な体験をした誠たちは、それぞれがコーチの思惑どおりいろんな事を感じていた。

誠も今まで感じた事のない気持ちが込み上げてきた。


家に帰ると、今日の出来事を目を輝かせながら話す。

最後の大会で必死に頑張る姿を見せつけられた誠は、

「いつか自分も。」

そんな気持ちになっていた。



そんな誠を見て、父親の豊と妹のレイは呆気にとられた。



少し前まではいつでもゴロゴロしゲームばかり。

母が亡くなって絶望のどん底。

しかし、野球に出会って誠は変わった。

よくこんなに元気になったもんだ。



そんな誠の姿を見て、二人も勇気付けられた。





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